未来という名のサファリにて、我らは獣か狩人か。
2045年、世界は対立する2つの巨大AI(人工知能)企業体・オベロンとタイタニアに支配されつつあった。両者は激しい戦争を重ね、遂に2つのAIが歴史的統合を実現する運びとなり、その記念式典が開かれることに。そこで式典参加の候補者たちが事前にヴァーチャル・トーキョー(空爆で滅びた東京の全空間を記録するアーカイブ)に集められ、テストを受けるのであったが…。

2017年、地下空港がぴあ株式会社とタッグを組み、すみだパークスタジオの全面協力のもと実現した移動参加型演劇。当公演専用のスマートフォンアプリを独自に開発し、参加者がインタラクティブに作品に参加し、そして物語の行く末をリアルタイム投票で左右する、革新的なイマーシブ演劇作品。

また、この『Safaring the Night』について筑波大学名誉教授・東京女子大学教授の浜名恵美氏が、”シェイクスピア作品の魅力的な現代版”として論文を書いてくださり、本年の日本シェイクスピア協会の学会誌に掲載。

<論文名>
“Safaring the Night: A Midsummer Night’s Dream Updated.” Shakespeare Studies, vol. 56, September 2018, pp.18-34. 審査付論文(日本シェイクスピア協会)。

<論文概要>
国際的にも活躍している若手の劇作家・演出家の伊藤靖朗主宰の劇団『地下空港』が上演した『サファリング・ザ・ナイト』(2017年)。この作品は『夏の夜の夢』のサイエンス・フィクション的改作で、2045年に設定され、原作の登場人物やプロットは近未来的に書き換えられています。隅田スタジオパークの劇場・関連施設全体の空間を使い、主にdigital/smartphone native世代の若い観客は参加者として、俳優とともに空間を移動してアクションに関わり、最後に結末をスマートフォン投票で決めるというきわめて実験的な没入型演劇です。演劇でもディジタル・マッピングなどの技術を使うことが増えていますが、この芝居では、それがただの視覚的効果ではなく、アクションの重要な要素として使われています。原作を著しく書き直した改作ですが、想像力や夢―コンピュータが相対的に弱い領域―の重要性を訴える点では、シェイクスピア演劇の精神に忠実です。特に若い世代には、シェイクスピア作品の魅力的な現代版といえるでしょう。

ぴあ株式会社 & 舞台芸術集団 地下空港 共同公演


『SAFARING THE NIGHT / サファリング・ザ・ナイト』


脚本・演出 伊藤靖朗


日時:2017年3月2日(木)~12(日)全11回公演
会場:すみだパークスタジオ特設会場

【出演者】

原嶋元久 山下聖菜 逢沢凛 

野田孝之輔 竹岡常吉 荒木秀行 林貴子(演劇集団キャラメルボックス)
鎹さやか 大塚由祈子 

青山光太 今泉玲奈 大和田あずさ  小澤翔太 梶泰三 勝又絢子 キベハルカ
兒島利弥 小谷友吾 関根翔太(演劇集団キャラメルボックス) 
徳永翔太 中尾綺夏 奈良原大泰 長嶺一生 中村ことえ(空間製作社) 浜口奈菜 
林有実(ごった煮~ず) 平山裕子 水澤綾太 宮島はるか 山内貴人 渡部真央 (あいうえお順)

映像音声出演:穂高(カクシンハン) 田代絵麻

庄野崎謙

<スタッフ>
原作 W.シェイクスピア 『夏の夜の夢』
脚本・演出 伊藤靖朗
技術協力 浅井宣通(WOW)
アプリ開発 塚本裕文
音楽 石田多朗
音響 今村秀隆 鳥井香奈子  
美術 角田知穂
照明 森規幸(balance.inc.DESIGN)
衣装 摩耶
小道具 加賀谷静 武松志保
演出助手 木村孔三
ドラマツルグ 加藤千夏
テクニカルアソシエイト 奥村周也
舞台監督 西廣奏

宣伝美術 武田英志( hooop )
宣伝ヘアメイク 中村愛海
宣伝写真 岡田雷平

制作助手 樫村有紀

主催 ぴあ株式会社 舞台芸術集団 地下空港

協力 アシスト アプレ ウォーク OkiaProduct 演劇集団キャラメルボックス 空間製作社 劇団ひまわり
   サンミュージック・アカデミー GFエンタープライズ スウィートパワー スターダス・21        ステージオフィス センスアップ ディーダッシュ・カンパニー トゥフロント DruCi.co 鈍牛倶楽部
   BLUE LABEL メディアミックス・ジャパン